
第三杯 ふるさと
今宵もどこかで駆け付け1杯。
海遊館や天保山があるファミリータウンの代表、大阪港・築港にも眠らない酒場がある。
本日ご紹介する酒場はこちら。ガラガラ「おじゃましま〜す」

壁一面にメニューが貼られ、味のある店内になんだかほっこりする。
初めてなのに落ち着く雰囲気が漂う不思議な空間。


奥から笑顔の奥様が駆け寄ってくる。
「いらっしゃい。なんにします?」
ここふるさとは飲食業界で30年以上働くマスターと奥様の二人で営む、地元の方にも愛される居酒屋。
築港でお店を出して4年。
以前、お世話になっていた飲食会社の社長からここの場所が空いたからどう?独立してやってみるか?というきっかけで始められたそう。
気さくで明るいちゃきちゃきした奥様と奥の厨房で寡黙に腕を振るうマスター。いいコンビネーション。
お昼はチキン南蛮や焼鮭定食、カレーとんかつなど、夜は鳥刺しが人気だそう。

マスターの料理は和食から中華までジャンル問わずなんでも作れて、なんでもおいしいと奥様のお墨付きだけあって、どれも本当に美味しかった。
キンキンに冷えたビールと小鉢に入ったアテを数種類頂きながら、奥様との話に花が咲く。

現在、お昼の定食と夜の居酒屋で営業しており、コロナ禍前は立地柄、外国人観光客も多く、休憩時間も取れないほどの大忙しだったそう。
お知り合いの方に中国語に訳してもらったメニューを用意していたが、それでも言葉の壁は高く、コミュニケーションがうまく取れなかったことも多かったそう。
「以前の活気にもちろん戻ってほしいけど、今は日本人のお客様に大事にされてる実感が湧いて、それもありがたく感じます。」と奥様が言う。
お昼の定食は、特にラストオーダーを設けず、お客様が来られたらいつでも対応する、というのが二人のスタイル。
「大体夕方17時過ぎには夜のメニューに変えていくけど、お客さんきたらいつでも出せるようにしてるねん。」
そんなところにもお客さんに愛される理由が分かる。
以前は住之江のお店で働いていたそう。こんな状況下になってはしまったが、それでも「ここにきてよかった。」と振り返る。
「お店から見える観覧車や豪華客船、お店閉めて外出たらやっぱり夜景もきれいやし。そういった景色はここならでは。ここでも常連さんもできて、支えてもらってる。もっと愛される店、目指していかんと。」

4月からは焼き鳥や鉄板料理も新たに入れて、メニューを増やしていくそうだ。
やっぱり「美味しかった、ありがとう」の言葉はうれしい。わざわざ奥の厨房まで来てマスターに直接声をかけてくれるともっと美味しいもん作っていこう。って活力になる。
お二人からは今は踏ん張って、何とか乗り越えていこうとその思いが伝わる。
今日のお酒はひときわ沁みる。
さてもう一杯いただきますか。
「乾杯」

ふるさと
大阪府大阪市港区築港3-8-6
営業時間/ 11:30-14:00 / 17:00-26:00
※状況によって営業時間は変更します。事前にお店への連絡が〇
定休日/ 不定休
TEL / 080-1484-4930