第一杯 立呑み処 オオサワ
今宵もどこかで駆け付け1杯。
海遊館や天保山があるファミリータウンの代表、大阪港・築港にも眠らない酒場がある。
本日ご紹介する酒場はコチラ。
ガラガラ「おじゃましま〜す」
今年65年目を迎える酒屋、大澤本店が営む立呑処・オオサワ。
店内はカウンターと奥にもテーブル席と半個室タイプのテーブル席が。
角打ちといいつつかなり広く、ゆっくり飲めるお店である。
立呑処と謳っているが、椅子が用意されているのも嬉しいところ。
アルコールの種類も豊富。さすが酒店。ビールは人気銘柄がほぼ揃っている。
あ。サッポロ赤星発見。
見つけたらすぐ頼んでしまう、呑兵衛心をくすぐるラインナップも嬉しい。

ここオオサワの歴史は古く、現在は二代目であるきよみさんと、三代目の息子さんが切り盛りしている。
日曜祝日以外は朝9時半頃から23時頃まで営業されているそうで、毎日カウンターに立たれている。
本当はもう少し休みが欲しいところだが、常連さんの頼みで現在も朝から営業しているそう。

隣に座っていたサラリーマン二人組は、ここオオサワに通ってなんと30年!
「なんだかんだ、ここに来てまうねんな~」
その表情からは笑みがこぼれている。
そんなお二人におススメのメニューを聞いてみると、11月頃から始まるおでんは
ついつい食べ過ぎてしまうそうで、
特に年明けに食べる崩れたじゃがいもと、お出汁がしゅんだ黒いちくわがおススメとのこと。
取材時はちょうど仕込み段階であったため、まだありつけていないが
これは絶対食べるしかない。
おでんに熱燗。 ん~、想像するだけで胸が熱くなる。
女将のきよみさん曰く、ポテサラとたまご焼きも人気だそう。
「常連さんにも用意しとかな、たまご無いん?言われるねん」と。

お客さんが求めるから、お店側もそれに応える。
そんなお店が在るから、お客さんが来る。
なんとも素晴らしい相互関係のお店、見つけました。
実際にこういった需要と供給が成り立っているようで成り立っていないお店も多い。
プライドの高いお店の変なルールだとか、
お客さんに言われるがままのコンセプトがめちゃくちゃなお店だとか。
地元に・常連の方に愛されるお店ってのは、一番の成功の秘訣なのかも知れない。
「きよみちゃんの歌聞かな、まだ常連とは言えへんで~」
と、常連の先輩からのお言葉が。
いつか、きよみさんの歌を聞けるようになるまでなんとか通いつめたいもの。
いや~、築港にもこんなに味のある店がまだ残っていたとは。
お店に飲みに来た、というよりも
『帰ってきた』の方がしっくりくる。
さてはて、もう一杯頂きますか。 乾杯!
